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読書感想文におすすめの本【学年別】書きやすい傑作30選!「本選び」で9割決まる?選び方のコツも徹底解説
2025/11/16
夏休みや冬休み、宿題の山の中でも特に手ごわい相手、「読書感想文」。 「そもそも、どの本を選んだらいいか分からない!」 「本を読んだけど、何を書けばいいか全然思いつかない…」
そんな悩みを抱えている君へ。朗報です。 実は、読書感想文の出来は「本選び」で9割決まると言っても過言ではありません。
この記事では、「読書感想文が書きやすい本」とはどんな本か、その選び方の具体的なコツから、小学生(低・中・高学年別)、中学生、高校生それぞれに本当におすすめしたい傑作まで、合計30冊を厳選してご紹介します。
原稿用紙を前にフリーズしてしまう毎日は、もう終わりにしましょう。
なぜ読書感想文の「本選び」が重要なのか?
「感想文なんだから、どんな本でも書けるはず」と思うかもしれません。しかし、そこには大きな落とし穴があります。
感想文が「書きやすい本」と「書きにくい本」の違い
**書きやすい本とは、「自分の心が動きやすい本」**のことです。 主人公の行動に「すごい!」と感動したり、「それは違うだろ!」と腹が立ったり、あるいは「自分にもこんな経験あるな…」と共感したり。心が動けば、それがそのまま「感想」のタネになります。
逆に、**書きにくい本とは、「心が動くポイントが見つけにくい本」**です。 例えば、難解な哲学書や、情報が淡々と羅列された解説書などは、読書感想文には向きません(もちろん、それに強い興味がある場合は別です)。
「好きな本」=「書きやすい本」とは限らない
ここが最大のポイントです。 例えば、あなたが大好きなバトル漫画や、設定が複雑なファンタジー小説があったとします。それを読んでいる時間は最高に楽しいでしょう。
しかし、「なぜ面白いのか?」を言葉で説明しようとすると、「絵がカッコいいから」「ストーリーが壮大だから」といった表面的な感想になりがちです。そこから「自分の体験」や「社会との繋がり」にまで深掘りして原稿用紙を埋めるのは、至難の業です。
読書感想文用の本は、「自分が楽しむため」とは少し視点を変えて、「感想を書き出すため」という目的で選ぶ戦略が非常に有効なのです。
読書感想文が格段に書きやすくなる!本選びの3つのコツ
では、具体的にどんな本を選べば「書きやすい」のでしょうか。以下の3つのコツを意識してみてください。
コツ1:主人公の「感情」が大きく動く物語を選ぶ
読書感想文の王道は「共感」です。 主人公が困難にぶつかり、悩み、苦しみ、そしてそれを乗り越えて成長する…。 そんな「感情の起伏」が激しい物語は、読んでいるこちらの感情も揺さぶります。
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「もし自分だったらどうするだろう?」
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「主人公のこの時の気持ち、分かる!」
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「この行動は許せない」
こうした**主人公への「感情移入」や「反発」**こそが、読書感想文の最も書きやすい材料となります。嬉しい、悲しい、悔しい、感動した、といった感情の動きが分かりやすく描かれている本を選びましょう。
コツ2:自分の悩みや興味と「共通点」があるテーマを選ぶ
自分が今、まさに悩んでいることや、強く興味を持っていることがテーマの本は、感想が溢れ出てきます。
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「友達関係に悩んでいる」→ 友情や裏切りを描いた物語
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「部活動を頑張っている」→ スポーツや芸術で切磋琢磨する物語
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「将来の夢がない」→ 生き方や進路に迷う主人公の物語
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「社会の不平等に疑問がある」→ 歴史や社会問題を扱った物語
本の世界と自分の世界に「共通点」が見つかれば、「私はこう思う」「私の場合はこうだった」と、自分の体験談に繋げやすくなります。
コツ3:読み終わった後「誰かに話したくなる」本を選ぶ
「この結末、どう思う?」 「こんなひどい話があるなんて…」 「この主人公の生き方、すごくない?」
読後、すぐに誰かに電話したり、LINEしたくなったりするような本は、それだけあなたの心を強く動かした証拠です。 その「話したいこと」こそが、あなたの「オリジナルの感想」そのものです。 衝撃的な結末、考えさせられる問いかけ、胸が熱くなる感動。そんな「読後感の強い本」は、感想文の傑作を生む可能性を秘めています。
【小学生・低学年向け】おすすめの本 5選 (想像力を育む)
低学年は、まず本の世界を楽しむことが大切です。分かりやすいストーリーと、豊かな感情表現がポイント。
1. 『ぐりとぐら』(中川李枝子・大村百合子)
大きなカステラを作るシーンは、誰もがワクワクするはず。「もし自分があの森にいたら?」「ぐりとぐらに何を作ってあげたい?」と想像を膨らませやすい一冊。「たべること」「わかちあうこと」の楽しさを自分の言葉で表現してみましょう。
2. 『ふたりはともだち』(アーノルド・ローベル)
仲良しのがまくんとかえるくんの、ユーモラスで心温まる友情物語。「本当の『ともだち』って何だろう?」を考えるきっかけになります。「自分だったら、がまくんに何て声をかけるかな?」と、自分の友達関係と比べて書くことができます。
3. 『おしいれのぼうけん』(ふるたたるひ・たばたせいいち)
保育園のおしいれから始まる、スリリングな冒険物語。さとしとあきらの「こわい」という気持ちと、それを乗り越える「ゆうき」が鮮やかに描かれています。「自分が一番こわいものは?」「こわいときにどうするか?」を自分の体験と結びつけてみましょう。
4. 『どうぞのいす』(香山美子)
うさぎさんが作った「どうぞのいす」。次々に動物たちがやってきて、「どうぞ」の心が連鎖していきます。「『ありがとう』や『どうぞ』を言ったとき、どんな気持ちになった?」と、思いやりや優しさについての実体験を書くのに最適です。
5. 『わたしのワンピース』(にしまきかやこ)
うさぎさんが作った白いワンピースが、行く先々で色々な模様に変わっていく、想像力豊かな絵本。「もし自分がこんなワンピースを持っていたら、どんな模様にしたい?」「どこへ行きたい?」と、自由な発想を文章にする練習になります。
【小学生・中学年向け】おすすめの本 5選 (共感と発見)
少し物語が長くなり、主人公の心の葛藤や成長に「共感」できるかがポイントです。
1. 『エルマーのぼうけん』(ルース・スタイルス・ガネット)
どうぶつ島にとらわれたりゅうの子を助けに行く、エルマーの知恵と勇気の物語。ピンチを知恵(ガムや歯ブラシなど)で切り抜ける姿にワクワクします。「エルマーのすごいところはどこか?」「自分だったらどんな道具を持っていくか?」など、アイデアを膨らませやすいです。
2. 『モチモチの木』(斎藤隆介)
夜の暗闇が怖い臆病な豆太が、大好きなじさまのために勇気を振り絞る物語。「優しさ」と「勇気」という普遍的なテーマが胸を打ちます。「豆太はなぜ怖さを乗り越えられたのか?」「自分が誰かのために勇気を出した経験は?」と深く掘り下げられます。
3. 『泣いた赤おに』(浜田広介)
人間と仲良くなりたい赤おにのために、青おにが犠牲になる有名な物語。「本当の友情とは何か?」を強く問いかけられます。青おにの行動をどう思うか、自分ならどうするか、自分の友情体験と重ねて熱い感想文が書けるはずです。
4. 『魔女の宅急便』(角野栄子)
13歳の魔女キキが、知らない街で独り立ちする物語。仕事の失敗やスランプなど、うまくいかない壁にぶつかります。「キキがどうやって困難を乗り越えたか」「自分が何かを頑張っていること」と結びつけやすく、成長を描く感想文にピッタリです。
5. 『シークレット・ガーデン』(フランシス・ホジソン・バーネット)
心を閉ざした少女メアリが、荒れ果てた秘密の花園を再生させることを通して、自分自身も元気を取り戻していく物語。自然の力や、人との関わりがもたらす「変化」がテーマです。「自分が何かに打ち込んで変わった経験」などを書くと良いでしょう。
【小学生・高学年向け】おすすめの本 5選 (友情・成長・社会)
多感な時期に刺さる、少しビターな成長物語や、社会について考えるきっかけをくれる本がおすすめです。
1. 『モモ』(ミヒャエル・エンデ)
「時間どろぼう」に時間を奪われた人々を、不思議な少女モモが取り戻す物語。「時間とは何か?」「忙しいとはどういうことか?」という深いテーマを扱っています。「自分は時間に追われていないか?」「本当に大切にしたい時間は?」と、現代社会と自分自身を省みるきっかけになります。
2. 『ワンダー』(R・J・パラシオ)
顔に障害を持って生まれた少年オギーと、彼を取り巻く人々の視点で描かれる物語。「普通とは何か?」「優しさとは何か?」を強烈に問いかけられます。登場人物それぞれの葛藤に、自分のクラスや人間関係を重ね合わせ、「自分ならどう接するか」を深く論じられます。
3. 『西の魔女が死んだ』(梨木香歩)
不登校になった少女まいが、田舎のおばあちゃんと過ごす日々を描いた物語。規則正しい生活と自然の中で、まいが再生していく姿が静かに描かれます。「おばあちゃんの言葉で心に残ったものは?」「自分が疲れた時、どうやって回復するか?」など、自分の心と向き合う感想文が書けます。
4. 『バッテリー』(あさのあつこ)
孤高の天才ピッチャー原田巧と、彼とバッテリーを組む永倉豪の葛藤と友情。思春期特有のヒリヒリとした自意識や、他者との衝突がリアルです。「巧の考え方に共感できるか、反発するか」「本当の信頼関係とは何か」など、部活動や友人関係の経験を元に書けます。
5. 『星の王子さま』(サン=テグジュペリ)
「大切なものは、目に見えない」。あまりにも有名な言葉が心に響く、大人も読むべき名作。王子さまが色々な星を旅する中で出会う「変な大人たち」は、現代社会の風刺でもあります。「自分にとって『大切なもの』は何か?」という哲学的な問いに、自分の言葉で挑戦できます。
【中学生向け】おすすめの本 5選 (自我・社会・生き方)
「自分とは何か」「社会とは何か」。答えのない問いに、主人公と一緒に向き合える本がおすすめです。
1. 『カラフル』(森絵都)
大きな過ちを犯して死んだ「ぼく」が、自殺を図った少年・真の体にホームステイ(転生)する物語。家族の問題、学校の問題、そして自分自身の問題。「生きるとは何か」「やり直すとはどういうことか」を、真の目線でリアルに感じられます。自分の悩みとリンクさせやすい名作です。
2. 『アルジャーノンに花束を』(ダニエル・キイス)
知的障害を持つチャーリイが、手術によって天才的な知能を手に入れ、そしてまた…。「知性とは何か」「人間の尊厳とは何か」という重いテーマを、胸が張り裂けるような切なさで描きます。チャーリイの喜びと苦悩を通して、「幸せとは何か」という問いに深く向き合えます。
3. 『博士の愛した数式』(小川洋子)
記憶が80分しか持たない天才数学者と、家政婦の「私」、その息子の「ルート」との静かで美しい交流。数字の美しさ、人を想うことの尊さが描かれます。「記憶がなくなっても残るものとは何か?」「人が繋がるとはどういうことか?」を考えさせられます。
4. 『アーモンド』(ソン・ウォンピョン)
感情がわからない「扁桃体(アーモンド)」が小さい少年ユンジェの物語。彼は「普通」とは何かを学びながら、他者と関わっていきます。「感情とは何か?」「共感できないことは悪なのか?」というテーマが、多様性が問われる現代に刺さります。自分の「当たり前」を疑うきっかけになる一冊です。
5. 『夜のピクニック』(恩田陸)
高校生活最後の一大イベント「歩行祭」(24時間夜通し歩く)での、生徒たちの心の機微を描いた青春小説。大きな事件は起こりません。ただ歩きながら、友情、恋愛、将来について語らう。その空気感がリアルです。「自分の高校生活」や「友達との関係」を重ね合わせ、青春の尊さを綴れます。
【高校生向け】おすすめの本 5選 (人生・哲学・現代社会)
物事の本質を問い、自分の価値観を揺さぶるような、骨太な作品に挑戦してみましょう。
1. 『コンビニ人間』(村田沙耶香)
「普通」とは何か、「社会に属する」とは何かを、コンビニ店員として完璧に機能する主人公・古倉恵子の視点から描いた衝撃作。「普通」の圧力に苦しむ現代人にとって、恵子の生き方はどう映るのか。「社会の常識」と「個人の幸福」について、鋭い考察ができます。
2. 『同志少女よ、敵を撃て』(逢坂冬馬)
第二次世界大戦、独ソ戦を舞台に、家族を失った少女セラフィマが女性狙撃兵として戦う物語。戦争の凄惨さ、敵と味方とは何か、生きる意味とは何かを強烈に問いかけます。「正義とは何か?」「もし自分が彼女の立場だったら?」と、平和な日常からは想像できない極限状態に思考を巡らせられます。
3. 『1984年』(ジョージ・オーウェル)
「ビッグ・ブラザー」による完全な監視社会を描いた、ディストピア小説の金字塔。情報が操作され、自由な思考が奪われる世界は、現代のSNS社会や管理社会に通じるものがあります。「自由とは何か」「真実とは何か」を、現代社会と対比させながら論じられます。
4. 『沈黙』(遠藤周作)
江戸時代のキリシタン弾圧を背景に、神の存在を問う日本人宣教師の苦悩を描いた重厚な作品。「強さ」と「弱さ」、「信じること」と「裏切ること」。人間の極限状態での選択を通して、「神とは何か」「人間の本質とは何か」という根源的な問いに向き合えます。
5. 『そして、バトンは渡された』(瀬尾まいこ)
複雑な家庭環境で育ちながらも、愛されて育った優子の物語。後半で明かされる「タイトルの意味」に、驚きと温かい感動が押し寄せます。「家族とは何か?」「血の繋がりとは何か?」を、従来の価値観にとらわれずに問い直します。「親子の愛」について、自分の家族を思い浮かべながら書ける作品です。
【ジャンル別】こんな本も「書きやすい」!
物語以外にも、感想文に適したジャンルがあります。
伝記・ノンフィクション(例:スティーブ・ジョブズ、アンネの日記)
実在の人物の生き様や、実際に起きた出来事には、圧倒的な説得力があります。その人物の「どの決断に心を動かされたか」「その生き方から何を学んだか」を、自分の将来の夢や目標と結びつけて書きやすいのが特徴です。
SF・ファンタジー(例:『獣の奏者』『鹿の王』)
現実とは違う世界だからこそ、現代社会の問題点(環境問題、差別、命の倫理など)を浮き彫りにすることがあります。「この架空の世界は、現実の何を映しているのか?」と考察することで、非常に深い感想文になります。
古典・名作(例:『こころ』『羅生門』 ※高校生向け)
教科書で習うような作品にあえて挑戦するのも手です。授業で習った解釈とは別に、「自分はこう感じた」という独自の視点を打ち出せれば、他とは違うオリジナリティのある感想文になります。
読書感想文が書けない…本を読んだ後にやるべき3ステップ
「書きやすい本」を選んでも、まだペンが動かない。そんな時は、この3ステップを試してください。
ステップ1:「心が動いた箇所」に付箋を貼る
読みながら、「面白い!」「ムカつく!」「悲しい」「なんで?」と思ったページの端に、付箋(ふせん)を貼りましょう。深く考えず、直感でOKです。
ステップ2:「なぜ、そう感じたか?」を掘り下げる
読み終わったら、付箋を貼った箇所を見返します。そして、**「なぜ、自分はここで心が動いたのか?」**を自問自答します。 「主人公のセリフが、昔言われたことと似ていたから」 「この行動が、自分には理解できなかったから」 この「なぜ?」の答えこそが、感想文の「核」になります。
ステップ3:自分の「体験」と結びつける
「なぜ?」が掘り下げられたら、最後にそれを**「自分の具体的な体験」**と結びつけます。
(例)
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本:『泣いた赤おに』で、青おにが自己犠牲になった。
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なぜ?:友達のためにそこまでするなんて、すごいと思ったから。
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体験:自分は昔、友達とケンカした時、謝る勇気が出なかった。青おにの勇気と比べて、自分は……。
このように、「本の世界」と「自分の世界」が繋がった瞬間、原稿用紙はスラスラと埋まり始めます。
まとめ:最高の一冊を見つけて、君だけの感想文を書こう
読書感想文は、決して「面倒な宿題」ではありません。 それは、本という窓を通して、「新しい世界」を知り、「自分自身」と向き合う絶好のチャンスです。
「書きやすい本」とは、結局のところ、今のあなたの心に最も響く本のこと。
今回紹介した30冊は、そのためのヒントに過ぎません。ぜひこの記事を参考に、あなたにとっての最高の一冊を見つけ出し、「あらすじ」ではない、あなただけの「心の声」を言葉にしてみてください。
応援しています!


















